応募対象の概要
フェーズフリーの知識を身につけるための、小学生向け教養絵本かつ防災グッズ。ライフラインである水や火、食をテーマにしたシリーズとなっていて、住む街でのフィールドワークを交えながら楽しく学ぶことができる。体験することでより深い知識を身につけ、必要な備えとは何かを自分事として考えることができる。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
いつもは基本的な教養として、もしもは実際に防災グッズとして使うことができる。いつも:子どもも大人もライフライン(水、火、食)について楽しく学ぶことができる。シリーズそれぞれに体験を交えた物語があり、アクティブラーニング(自発的な学び)を促しフィールドワークも兼ねた絵本になっている。もしも:いざという時には“いつも”の経験で得たことを絵本を使って実践することができる。ライフラインが閉ざされたとき、一つでも知識があることで、もしもの時の不安は軽減され、健康的に過ごすことができる。また、外見は絵本なので、本棚など身近なところに置いて「見せる」防災グッズにもなる。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
70 /100点
子ども向けのナレッジブックとして、体験を伴う知識、興味や理解の深まる可能性から、日常時の「Why」が高く評価されている。実践的で役に立つ知識や経験が非常時の様々なシーンで利用できるため、非常時の「Why」も高い評価となっている。子どもの頃からフェーズフリーな考え方や知識を身につけ、すぐに役立てられる点で、非常時の「Why」と「When」も評価されている。さらに、具体的なコンテンツを充実させることで対応課題を広げ「Why」の評価を高める可能性を持っている。
有効性評価
67 /100点
フェーズフリーの理解を深める実践的な教材として発展する可能性を持っており、「日常時QOL」と「非常時QOL」の両方を高めることが期待できる。持ち出しやすさや収納のしやすさ、知識と体験の組合せによる効果は「機能面デザイン」として評価され、「情緒面デザイン」についても、年齢や学習環境に応じた展開が可能である。幼少期に日頃から実践してきたフェーズフリーな知識を学ぶことで「意識向上」につながり、普及性の観点から新たな取り組みとして「新規創生」でも評価されている。
総評
一般的な子ども向けの防災ブックは、サバイバルや備えの事例などを紹介するものが多く、知識を得て意識を高めることが主な目的であった。フェーズフリーナレッジブックは、家族や友達と一緒に楽しく「フェーズフリー」を実践しながら取り組むことで、理解がより深まる体験型の教材である。年齢や場所、季節や時期を問わず楽しめる中身を増やしていくことで汎用性を高め、様々なアイデアがこのナレッジブックから広がっていくことで、更に有効性を高めることを期待する。
受賞者コメント
フェーズフリーな“もの”だけではなくフェーズフリーな“知識”も重要だと考え、フェーズフリーナレッジブックが誕生した。「いつも」はフィールドに出て子どもも大人も生きた学びを身につけることができ、「もしも」の時は身につけた知識をもとに実践し、フェーズフリーナレッジブック自体を活用・役立てることができるものである。予測不可能な状況において、どう対処したら良いかを“知っている”ことが不安の軽減につながる。知識と経験があることで自助はもちろん、共助の可能性も広げてくれるだろう。
受賞者プロフィール
株式会社VEROX.