カナドコロ

応募対象の概要

戸建て住宅街の一角で30年以上空き地だった市所有の公益用地を整備した広場。常時開放され遊びや休憩、イベント、菜園等に利用できる。大学と自治体が協働で管理運営する。分散配置した花壇により滞留/活動/自然の3エリアに大きく分かれる。生態系サービスを活用して環境貢献しながら居心地の良い環境を生み出している。

フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント

日常時は近隣住民が自由に利用できる屋外の広場でありながら、広場利用の非常時である「雨天時」には雨水を蓄える場所の役割を果たす。広場全体は樹皮で柔らかくマルチングされ歩きやすく、遊びやすい。広場奥に広がる植栽エリアは季節の様々な植物あるいは生き物の住処を提供する。これら仕様は雨水を蓄える能力を発揮する。樹皮マルチングは雨水を地面に浸透させ、降雨後も保水能を持つ。植栽エリアの奥にはドライスウェール型の側溝があり南側道路の擁壁伝いに雨水を集めて蓄える。また、休憩デッキに設置された日除けは有孔フラクタル模様のため、日常では木漏れ日のような優しい光を届け、雨天時には降雨をそのままマルチング面まで流す。
日常時 カナドコロ:日常時
大通り沿いの日除付デッキは滞留空間として、樹皮でマルチングされた中央は遊びや散策の場として、スウェールは自然観察や散策の場として、多数ある花壇は地域菜園などに利用される。休日にはマーケットやワークショップが行われ地元住民に交流機会を提供する。バス通りの地域のシンボルとして広場の植栽が美観を形成する。
非常時 カナドコロ:非常時
局地的大雨の発生頻度増加や都市化進展に伴う雨水流出量の増加に伴う都市型浸水被害リスクの高まりに対し、広場全体が樹皮でマルチングされているため雨水を浸透し、広場外へ流出させない。南側道路擁壁から広場に流入する雨水をスウェール側溝に蓄える。隣接道路での歩行者の歩きやすさ、自動車等の運転しやすさが高まる。