今、集落の暮らしの結節点

応募対象の概要

この集落では唯一の商店がなくなってしまった。全国的にも集落の衰退は著しい。集落の衰退に歯止めをかけることは難しいが衰退していく集落にも暮らしがある。今ある暮らしに寄り添いながら彩りを与えることで集落の様相を少しでも変えてみたい。そこで、「ごみ捨て」の特性を生かして人々が居合わせる居場所を提案する。

フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント

「ごみ捨て」は暮らしに欠かせない行為である。地域の人々が決められた場所、決められた時間にごみを持っていく。ごみ集積場は暮らしと地域を結ぶ接点である。「ごみ捨て」の特性を生かして居場所を考える。また、ごみ集積場の周辺にある石蔵、火の見櫓、神社を巻き込んで、新たなごみ集積場の風景を考える。居場所は集落に見られた「もの」を住民が持ち寄り「仕舞う」ことで形成される。使い手や仕舞うもので変化する空間は、暮らしに新たなシーンを加えるきっかけを与える。このようにごみ集積場は自然と集まる居場所となり、非常時にも地域住民の一時的な避難場所として機能する。
日常時 今、集落の暮らしの結節点:日常時
集落の観察から住民の修繕する力、ものの多さ、ものを巧みに仕舞い空間を使いこなす特性が見られた。そこで、仕舞うきっかけを与える柱を提案し、住民がものを持ち寄り、ものを仕舞うことで居場所を構築していく。使い手や仕舞うものによって変化していく空間は暮らしに些細な変化を与え暮らしに新たなシーンを加えていく。
非常時 今、集落の暮らしの結節点:非常時
日常的に利用される居場所は非常時には一時的な避難場所になる。ごみ集積場は地域住民の歩いていける距離にあり、日常的に利用されるため場所の認知度が高い。ごみ集積場の利用者名簿は誰が避難していないか把握できる。ごみ集積場の特性を生かすことで非常時には迅速に避難することができる。